風俗嬢チエの風俗嬢ってどないやねん!!
愛され風俗嬢になるために~第4話
『………ちょっと待って。やばいヤバい!!』
………いや、ヤバいとかの問題じゃない。
その前に、なんでウチ知ってるん!?!?
口から心臓が飛び出しそうな恐怖に、足がすくんだ。
メールがうっとしいからアドレス変えるとか、
もったいないけど携帯変えるとか、
そんなレベルの問題じゃないじゃん!!!
家がばれたらもう逃げ場がない。
コンビニで隠れるように外をうかがいながら、
チエは泣きそうになっていた。
どこでバレたんやろう。。。。。
昨日、逃げたと思ってたけど付けられてたんかな。。。
店の履歴書、漏れたんやろうか。。。
なんか、調べる手口があったんかな。。。
わからない事だらけで考えれば考えるほど怖くなった。
友達にも彼にも相談できない。
店のスタッフに助けを求めても、
店の決まりを破って番号教えたのはチエだし、
助けてもらえないかもしれない。。。
コンビニの中でしゃがみこんでしまい、
自分の浅はかさを本当に後悔した。
1時間ほどたつと、江口さんは帰って行った。
すぐにコンビ二を出るのも怖くて、
しばらくウロウロしてから帰った。
翌日の出勤が本当に怖かったけど、
このまま無断欠勤してしまったら、
間違いなく江口さんはまたウチに来るやろうし、
逃げていてもしょうがない。。。と思い、
翌日チエは店に向かった。
でもどうしていいのか分からなかった。
江口さんが店に来るのが怖い。。。
でも、スタッフにも店の子にも相談できない。。。
『指名ほしいからってルール違反なことするからやん』
『新人チエちゃんの指名の高さは、
呼び込みしてたからやったんかぁ』
とかなんとか言われることは目に見えてた。
本当に孤独な恐怖を味わった。。。
お昼を過ぎたころスタッフから
『チエちゃん、いつもの江口様、80分コースです』
と言われた時には、半泣きになっていた。
『チエちゃん絶好調やね!頑張ってや!』というスタッフに
返事もできず、トボトボとサービスルームに向かった。
江口さんはニコニコ顔で『チエちゃん!!』と抱きついてきたが、
チエはもう笑顔で抱き返すことはできなかった。
『チエちゃんどうしたの?元気ないね』と
心配そうにのぞきこむ江口さんに、チエはおそるおそる
『江口さん昨日・・・ウチに来た?』と聞いた。
江口さんはバツの悪そうな顔をして
『あ・・・うん・・・』と答えた。
その瞬間、チエは不満が爆発し、
『「うん」じゃないやん!!チエがどんだけ怖かったかわかる!?
家に来るなんて反則やで!!』と叫んでしまった。
江口さんは驚いた顔をして
『反則って……だってこないだは家まで送らせてくれなかったし、
ご飯もまた今度って言われたから…
迎えに行けるようにと思って……』と、しどろもどろに答えた。
………家まで迎えに来れるように、後つけて調べたんですか。。。
………なんやろう。。。なんか、
会話してるようで会話が成り立ってない。。。
『そんなんホンマに困るわ。。。彼氏もいるのに、
バレたらどうしてくれるんよ?』と言ったチエに、
江口さんは顔が変わった。
『え……彼氏いるの?』
『………………………』
・・・・・・・・・なに??………なんか怖い。
すると今度は江口さんが怒りだしたんや。
『初めて会ったとき、彼氏はいないって言ってたの、嘘だったの?
アドレスも番号も教えてくれたし、
ご飯も行くって言ってたのに!』
……………そんなん……………
…………営業トークに決まってるやん。
みんなそう言ってるんやないの??
『俺、ほんとに好きになったのに!!』
『…キャァっっ!!!!』
そう言って江口さんは、突然チエに覆いかぶさってきたんや!!
・・・・・つづく★
次回の「風俗嬢ってどないやねん」は2月26日アップの予定です。
チエ
大阪・ミナミの風俗3ねんせい。一緒に暮らしている彼にバレることなく仕事を続け、ガッポリ貯めこんでいる。