風俗嬢チエの風俗嬢ってどないやねん!!
愛され風俗嬢になるために~第5話
『キャァっ!!』
突然覆いかぶさってきた江口さんに、
チエの体は抑えつけられ身動きが取れない。
『やめて!!やめてよ!!』
痛い!!・・・コワい・・・・・怖いっ!!
必死にインターホンに手を伸ばそうとするも…届かない!!
・・・・・と、その時、
『どうしました!?』と、スタッフが飛び込んできた。
驚いて江口さんが動きを止めたその瞬間、
スタッフはチエを抱きかかえるようにして
江口さんから引き離し、サービスルームを出た。
別のスタッフによって江口さんは追い出され、出入り禁止になった。
チエはスタッフルームで女の子たちに毛布をかけてもらい、
温かいお茶を手渡されながら、
スタッフにこれまでのいきさつを全部話した。
何も考えずアドレスを教えてしまったこと
断り方がわからなくて番号まで教えてしまったこと
家まで来られて怖かったこと
自分が悪いんだと思い、スタッフにも相談できなかったこと。
女の子たちはずっとチエの背中をなでてくれてた。
スタッフはサービスルームに向かうチエの様子がおかしかったから、
すぐ駆けつけられるように、
ずっと様子をうかがっていたらしかった。
『なんでもっと、早よ言わへんかった』と怒るスタッフに
『ごめんなさい。。。』と謝ると
スタッフは続けてこう言った。
『あんなチエちゃん、店は呼び込みを禁止やて言うてるんやないよ。
長い子はその辺上手くやってるわ。
ただな、チエちゃんみたいに新人の子は
こういう危険な目によく遭うから、
それを防ぐために禁止にしてるんやで』
『はい・・・』
『仕事中なら常に守ってあげれるけど、店の外で何かあった場合、
こっちは駆けつけてやれへんやろ。
だから店外を全面禁止にしてるんや』
・・・・・・そうか・・・・そうやったんや。。。
『疑似恋愛はこの業界の商品や。
お客さんも快楽と一緒にそれを買いに来るんや。
けど、今日の客みたいにちょっとしたキッカケで
本気になってまう人も中にはおる』
…………わかる………。
「ちょっとしたキッカケ」は。。。。
チエが犯したミスや。。。
(つづく)
次回の「風俗嬢ってどないやねん」は3月12日アップの予定です。
チエ
大阪・ミナミの風俗3ねんせい。一緒に暮らしている彼にバレることなく仕事を続け、ガッポリ貯めこんでいる。