処女なのに風俗嬢!
態度の豹変
こんにちは、さとこです。
車がいよいよ事務所と思われる場所に
つきました。
「じゃ、入ってくださいー」
そういわれて通されたのは
とあるマンションの一室。
「コーヒーにする?お茶にする?」
「あ、じゃあお茶でー」
淹れていただいた紅茶を一口すすると、
「えっとね、まず初めに言っておきたいんだけど
うち風俗店じゃないからねー」
…はい?
思わず口に含んでたものをふきだしそうになりましたよ。
「勘違いされると困るからねー」
と、相変わらずにこやかな従業員のかた。
なんか、圧倒されちゃって、
「はぁ…そうっすか…」
としかぼくは言えませんでした。(しかも小声)
その後細かく給料だとか仕事で何をやるだとかを説明され、今までとはまったく違う世界にこれまた圧倒され。
「はぁ、はぁ」
としかあいづちを打てませんでした。
…そんな態度がよろしくなかったのでしょうか?
最初はニコニコとしていた従業員さんの態度が
だんだん不穏なものへと変わっていき。
ついにはこんな言葉が飛び出してきました。
「…あのさ、やる気、あるの?」
え。
「てゆうか、この仕事やる覚悟あるの?できる?」
えっと、金稼ぐぜ~!という気持ちだけは人一倍あるんですが。
そんなに態度よくなかったのかなぁ…?と慌てて取り繕うわたくし。
「や、正直やったことないんでわかんないですけど…
でもがんばります!」
「いやね、彼氏でもない男のちんちん触ってしごいてイカせるのよ?
ほんとにできる?」
「…わかんないですけど…がんばります」(小声)
「うち風俗店よ?本当に大丈夫?できる?」
あのー。さっき風俗店じゃないって言ったじゃないすか。
しかし、一生隠し通すという意志も固かった(あくまでもさとこの中で)ので、
必死にここで働かせて下さいと頭を下げました。
とにかくこのときは、ほんのちょっとでもお金が欲しかったんです。
しかし、もう従業員のかたからは雇ってくれそうな雰囲気はまったくしません。
それどころかこの人生舐めきってるコムスメに
説教してやろう的なオーラがぷんぷん。
何かやな感じ。
もう、帰りたい。
そう思っていた矢先、従業員のかたが本棚から本を二冊とりだしました。
「こういうの、読んだことある?」
「…?何ですか?これ」
「えっ、知らないの!?」
それは知っているひとの中では有名な高収入系の求人雑誌。
つまり、風俗のお仕事の求人がいっぱい載っているのです。
でもこの時わたしは超初心者。その上全てネットで調べたため、
そんな雑誌があることすら知らなかったのです。
従業員の方は、雑誌をぱらぱらめくると
「君に働けそうな仕事ねぇ…あるかなぁ…」
とぶつぶつ。
…あれ?ひょっとして、わたしの代わりに仕事調べてくれてます?
初めての面接、それはこんなところじゃまだまだ終わらなかったのです。
さとこ
美術大学に通う20歳。
普段はマジメな大学生だけど、借金返済と学費を稼ぐために、イメクラ嬢やってます。
お店にはナイショだけど、実は「処女」なのです。