処女なのに風俗嬢！
大嘘なやりとり
こんにちは、さとこです。
いよいよ面接の日となった木曜日。
その日はお金がありませんが、
自分なりに気合を入れ。
トップスは白、それにチェックの
スカートを合わせて清楚なお嬢様風。
そしてメイクはちょっぴり濃い目。
ほとんど使わなかった
ピンクのアイシャドウをのせました。
すこしはやめに
待ち合わせの
駅についたと思ったら、いきなりナンパ。
にこやかにそれをかわしつつ、内心「いける…！」とガッツポーズ。
しかしこのナンパ、なかなかしつこい。
あのー、時間たちすぎてわたしの携帯に
お店から電話かかってきてるの気付いてます？
気付いてないよな。
ナンパだもんな。
この時、誰がこの男と一晩をすごすなど思いましょう。
ま、それはまた、別の話。
ナンパを振り切って待っていてくれた車に飛び乗ります。
「すいません！遅れましてー」
「いいえ、別にー」
おお、にこやかだ。
別に怒ってないっぽい。
「じゃあ今から事務所向かいますねー」
その間にも車についてる電話から「誰か空いてる子いる？」など、
お客様からの問い合わせが続々。
本当に風俗ってあんだなぁ、と感慨にふけっていると。
「どうしてうちの店にしたんですかー？」
「えっ。…いや、あの、…家から近かったんで…」
…駄目だろう。いくら緊張してたとはいえこれはひどすぎる！
普通の会社面接なら、間違いなく即座に「帰れ」といわれるレベルです。
しかしお店のひとは別に気にする様子もなく。
「そうなんだー。じゃあ付き合ったひとは何人くらい？」
「えっ。…さ、さんにんくらい…」
…駄目だろう。嘘ついたら泥棒だよ！
一応そのあとに
「でも今は彼氏いませんけどねー」とフォローはしたものの。
「ちょっと少ないねー」
さんにんで少ないって。
えっと、わたしのまわり「年齢＝恋人いない暦」の奴らばっかなんだけど。
何人といえば適切だったのでしょう。
未だに、謎です。
「（セックスの）経験はあるんだよね？
業界は未経験とのことだったけど」
「え。…はい」
…出たよ！出ちゃったよ大嘘その2！
す、すいません…わたし彼氏いたこともなければ
セックスなんて同人誌のなかだけでしか知りません！
「たまに来るんだけどさ。
いくら初々しいったって処女は駄目だから。」
「へー、そんなひともいるんですねー」
…お前、何ひとごとのように言ってんだよ。
わたしの中のもうひとりのわたしに呆れられましたが、
そんなの気にしている場合ではありません。
とにかく早急にお金が必要なのです。そのためには、働かなければ。
ちょっと選択を間違ったような気もするけれど。
新たな決意をすると、車がちょうど事務所につきました。
いよいよ、面接です。
次回の「処女なのに風俗嬢！」は3月26日アップの予定です。
さとこ
美術大学に通う20歳。
普段はマジメな大学生だけど、借金返済と学費を稼ぐために、イメクラ嬢やってます。
お店にはナイショだけど、実は「処女」なのです。
