恋の花びら大回転
【第107話】「よく知らないおじさんに説教された話 中編」
「わざわざチャリで迎えに来たのに彼女と連絡がつかない!」とご立腹なAの彼氏。
その頃、Aは私の男性友人Bとカラオケにいましたが、「1時間で解散したよ」とBから連絡が入り、ホッと一安心しました。飲み会に呼んだのも、彼女の飲酒を止めなかったのも自分なので、私はAを酔わせてしまったことに責任を感じていました。
Aと彼氏が合流できれば(酔ってることは怒られるかもしれないけど、そこは私のせいにしてもらえれば)丸く収まるだろうと思っていたのですが、Aの彼氏の怒りはさらにヒートアップ。
C(Aと私の共通の友人。全く無関係の人なのに可哀想)に電話をかけ、
「(私に)二度と顔を見せるなと伝えておけ!」
と言ったらしい。
えっ、私!?!
確かに、「私に無理矢理飲まされたことにしていいよ」とは言ったよ!?
言ったけど、実際そんな事実はないのだから、この場合Aが彼氏にフォロー入れるべきなのでは・・・?
それに、ほぼ会ったことない上に今日の状況を知らない人間に、そこまで言われる筋合いもない。
あまりの理不尽さに、大人げなくわんわん泣く30代後半女性こと私。(余談ですが、私は泣く時本当に「うわーん!!!」って言います)
納得がいかないので、次の日Aの彼氏と直接話しに行くことにしました。いわゆる凸というやつです。
とは言っても、喧嘩腰なわけではなく、怒っている理由を直接聞いて、私に過失があったら謝ろうと思っていたのでした。
Aの彼氏(もともと私のことが嫌い)に会うと、私を見るなりみるみる顔を赤くし、怒りが再燃しているご様子。
「謝りに来たんですけど、何にそんなに怒っているのかわからないので教えてください」
と正直に聞いてみました。すると、Aは彼氏に、
「みんなが私を置いて黙って帰ってしまい、気がついたらBとカラオケで2人きりにさせられていた」
と説明したのだそうです。
え、何の話? 意味が分からず、しばらくボーッとしてしまった。
てっきり酒を飲ませたことに怒ってるのかと思いきや、全く身に覚えがなさすぎて予想できなかった。
何故Aが「連れ込まれた」的なニュアンスを入れているのかも、そんなにすぐバレる嘘をついてるのかもわからないし。
もし仮に、自分からBをカラオケに誘ったことや、私と駅前で手を振って別れたことを忘れてしまい、ハッと気づいたらBと2人きりになっていたとしても、自分の意志でガブガブ飲んでいたのだから、そこまで被害者ヅラするのはおかしいです。
私だって、ハッと気づいたら全裸だったり警察に囲まれていたりすることはあるけど、誰かのせいにしたことはないですよ!(自慢)
Aにとっては「全部私のせいにしちゃっていいよ」と言われたから私に押し付けただけなんだろうけど、まさか男と2人でカラオケに行った責任までとらされるとは思わなかったです。
Aの彼氏は、ブルブル震えてさらに興奮!
このあと、私に投げつけた衝撃の一言とは!?
後半に続きます。
藍川じゅん
元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中!