恋の花びら大回転
【第119話】「オナニー見せてください!」
最近マッチングアプリを始め、おかげさまで20歳の大学生・T君とLINEを交換できました。
20歳といったらもはや息子。近親相姦プレイだってできちゃいます。
しかし、いきなりガツガツしたら怖がられてしまいそうなので、「学校では何の勉強してるんですかー?」「夏休みはどこか出かけるんですかー?」と他愛ない質問をして距離を縮めます。味方のふりして、獲物に近づく。狩りの基本です。
やりとりを続けるうちに、T君が「実はまだ女の子と付き合ったことなくて…」と告白してくれました。どどど童貞!?
やったー!! と喜びたいのを抑え、「今の20代では珍しくないよ、焦らなくて大丈夫だよ」と、あくまで優しいお姉さんを装います。しかし、T君は「でも、俺ちょっと性癖がおかしいかもしれないんです」と、深刻に悩んでいる。
まさか、うんこ食べたいとか? 骨折らないと射精しないとか?
それは確かに若いうちはパートナー探しに苦労するかも。
「いや、なんていうか、その、オナニーしてるところを誰かに見られたいっていうか…」
キャー!! 最高! まだ童貞なのにいい仕上がり!
「オナニー見たいです!!」と思わず前のめりで食いついてしまった。見た目が可愛い20歳童貞のオナニーなんて、お金払ってでも見たい。「ほんとですか!」と喜ぶT君。しかし、「いつします!? 新宿のレンタルルームにしましょうか」と具体的に話を進めようとしたら、
「えっ直接ですか?」
と一気に引かれてしまった。えっ、写真とか動画を見てほしいってことだった!?
おばさん、興奮しすぎて焦っちゃった!
「ごめん、そうだよね! いきなり会って直接じゃ怖いよね! そしたら動画みせてください!」
必死か。しかと、時すでに遅し。「妖怪・若い男のちんぽ見たい見たい見たいおばさん」であることがバレてしまい、T君は完全に引いてしまいました。
最初は彼の方から悩み相談をもちかけ、私が大人の余裕を見せていたというのに、それがあまりにも素敵な悩みだったために、途中から形成逆転。
私が土下座して「オナニー見せてください!」と頼み込み、T君が「ババアきもっ…」と怯えるという状況に。悔しい!
いつブロックされるんじゃないかとビクビクしつつも、T君とはその後もたまにオナニーLINEをしています。
LINE交換したての頃は、「おはよう!」とか「今何してるの?」って毎日LINEしてくれてたのに、最近は返信も遅く、オナニーしたい時にしか連絡してくれません。つれない! もっと妖怪のおばさんにもかまって!
いつか生で観賞する日を夢見て、今日もT君が送ってくれたオナニー画像をオカズにします。
藍川じゅん
元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中!