恋の花びら大回転
【第116話】「告白ハラスメント!」前編
最近はさまざまな場面でハラスメントという言葉を聞くようになりました。
ハラスメントとは、いやがらせやいじめのこと。大阪医科大セクシャル・ハラスメント等防止委員会によれば、「他者に対する発言・行動等が本人の意図には関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えること」と定義されています。
この「本人の意図には関係なく」というところが肝心でして、本人にとっては軽いジョークのつもりであっても、相手が嫌がれば立派なハラスメントになります。
私がよくやっている「友達にいきなり自分の●●●の写真を送りつけて感想を聞く」というのも、もちろん該当します。グロハラですね。
そんな中、「告白ハラスメント」というさらなる概念が生まれ、物議を醸しました。
告ハラとは、おおざっぱに言えば「無謀な愛の告白」のこと。
「相手が既婚者だと知ってて告白」
「1・2回、大勢いる飲み会で会っただけで告白」
など、明らかに脈がない人に無謀な告白をすることにより、相手に精神的な負担を与えることを告白ハラスメントと呼びます。
つい先日聞いた話でも、「仕事で1回会っただけの男性からLINEでやたらと飲みに誘われ、全て断っていたら、ある日の夜突然「だって好きなんだもん」というLINEがきた」とか。
いい歳(30代)したおっさんが「好きなんだもん」て。
本来なら即ブロック案件ですが、仕事先の人なので邪険に扱うわけにもいかず、丁寧にお断りの返信をしたそうです。それでも、翌日には何事もなかったように再びLINEが来たそうです。
また、「複数人で2回遊びに行ったことがある人に呼び出されて、いきなり「俺の気持ちに気づいてる?」と聞かれた。全然分からなかったと答えたら延々と説教された」などのオカルト事例もあります。
お断りした時点で、2人の関係は「仕事先の人同士」「よく知らない人同士」から「気持ちを受け取ってもらえなかった者(被害者)と他人からの好意を拒絶する者(加害者)」に無理矢理上書きされ、告白を受けた人(加害者)は、反省(自分が思わせぶりな態度をとっていたのかもしれない)や謝罪(勘違いさせてしまったのならごめんなさい)、罪悪感(傷つけてしまった)を強いられることになります。
言った側はスッキリするかもしれませんが、言われた側は唐突に重荷を背負わされ、一方的なストレスとなります。
こういう体験、身に覚えがある方がたくさんいるのではないでしょうか。
次回、この告ハラの対処法について考察してみましょう。なんとこのテンションのまま、後半に続きます!
藍川じゅん
元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中!