元ピンサロ嬢の30分ガチンコ勝負

【第42話】名刺配りにご用心!
若い頃の私といったらそれはそれは玉のようなクソビッチでした。
更に言えばラスボス級のアルティメット馬鹿。
そんな馬鹿が風俗なんかで働いちゃった日にはね、そりゃもう嬉しくて嬉しくてみんなに言っちゃうわけですよ。
「私、今ピンサロで働いてるんだー!」って。
もう「ネズミーランドで働いてるんだー!」くらいの目の輝きで。
そんで、無差別にお店の名刺も配っちゃう。
「お前に抜いてもらうほど不自由してねーから!」
って怒られたり、
「店には行くかもしれないけど、お前だけは絶対指名しないから!」
って言われたりしても、馬鹿だから
「まったまた~」
とか思ってた。
照れちゃってこの~!くらいのテンション。
そんな介護級の馬鹿ですから、もちろん名刺配ったこともすぐ忘れちゃう。
いつものように出勤して、着替えて、待機室でご飯食べて、歯磨きしてたら、指名のアナウンス。
わーい仕事だ仕事だ~しかも本指名だー☆
って張り切ってソファに向かったら、友達の元彼が座ってた。
ギャーーーーーーー!!!
っておしぼりの入ったカゴを勢いよく床にダシャーン落とした。
消毒済みのおしぼりめっちゃ転がってた。
「なんでいるのーーーー!?」ってビックリする私に、
「名刺くれたじゃん、この前」
とニコニコ話す友達の元彼。
友達の元彼にピンサロの名刺渡したことなんて、マジで1ミリも覚えてなかった。
この時ばかりは自分の頭の悪さを呪いました。
ほんとに来ちゃったら気まずいってなんで名刺渡す時点で気づかないんだ、と。
一手先読め、と。
そんで、その元彼は
「わー、ちん●ん舐めてもらえるなんて嬉しいな~!」
とか言っちゃってんの。
お前も馬鹿か。
無邪気か。
まあ、舐めましたけどね。仕事だからね。
結構いいもの持ってて、
「これとセックスしてたなんて、羨ましいギギギ…」
って友達に嫉妬したりね。
元彼は「ありがと~!」って元気よく去っていきました。
その後、友達に「元彼がうちの店来たよ!」って報告したら、
「マジでー超うけるー!」
って笑ってました。おおらか!
「は? なんで?」みたいな感じで怒られたらどうしようかと思いました。
口と穴で姉妹になっちゃったね私たち…。
なっちゃったねっていうか、私が見境なく名刺配ったのが悪いんだけど。
それ以後、本当に来てほしい人にだけ名刺を配るように心がけました。
ちなみに、その数ヶ月後、友達の元彼から年賀状が届きましたんですけど、裏面に
「フェラチオ券」
って書いてありました。
ここにも馬鹿がいたー。

永田王(ながたおう)
OL・風俗嬢を経て現在はライター業やトークイベントなどで活躍中。