元ピンサロ嬢の30分ガチンコ勝負
【第48話】バブリー☆おじさん
私のお友達に、ものすごいバブリーなおじさまがいまして。
金の使い方ももちろんそうなんですが、なんていうか、もうノリが。
お立ち台の上で扇子振ってるボディコンの女子大生みたいなんですよ。すごいキャピキャピしてる。おじさんなのに。
おじさま、よく「オショックスしよ☆」って言う。
なんのことかと思ったら、「お食事とセックス」だって。
そんなん使ってるの●中康夫と岡●夏生くらいだから!
そんで、代官山とか友達の結婚式の二次会以外の用事で絶対行かない街の、クソオシャレレストランとかに入っちゃう。
店員が、
「今朝イタリアから届いたばかりの●●●●●でございます」
とか説明したりする。
●は卑猥なやつじゃなくて、ただ聞き取れなかっただけだから。
何言ってるか全然わかんなかったけど「へー、今朝!」って新鮮さを喜ぶふりとかすっから。
●●●●●はイタリアが名産だよね~みたいな顔すらしたから。
ピンサロで働いてる時も、おじさまはいつものノリで「じゅんちゃん(源氏名)、やっぴ~~~☆」とか言いながら遊びに来てくれた。
「ねえねえ、ソファ狭くない!?ほんとにここでするの!?えっおしぼりで拭くだけなの!?すご~い!」
お城抜け出したお姫様か。
いくらでも高いお店へ行けるでしょうに、場末のピンサロにわざわざ遊びに来てくれるなんてありがたいことですわ…。
ちなみに、私の好きな短くて極太なやつでした(友達のちん●んメモ)
その後、私は引退をし、紆余曲折あってパートのおばちゃんに落ち着いたわけですが、おじさまはなんとパート先にも遊びに来た。
このマメさ!!
今の若い男になかなかないよ!?
パート先のしょぼい飲食店でもおじさまノリノリ。静かな店内で完全に浮いてる。
「えっ何これメニュー少なっ!こんだけしかないの!?えー逆に迷う~~」
なんか大声でdisられてる!
他の店員さんも「あの人お友達ですか…?」って怪訝な顔してた。マジでごめん!
おじさまキャピキャピと紅茶飲んでくれたんですが、帰り際、
「じゃあじゅんちゃん、今度オショックスしようね☆」
と、私の手の甲にチュッとキスして嵐のように去って行きました。
一部始終を見ていた他の店員、ドン引き。
堅気の職場で手の甲にキスされて、白目剥いて顔面蒼白の私。
「何だったの今の…」っていう空気に耐え切れず、
「い…今のは、私のお友達で、イタリア人気質のバブルおじさんです!」
とわけのわからない紹介をしましたが、その時の職場の空気たるや、バブルどころかちょっとした世界大恐慌でした。
バブル世代の無邪気さ、怖い!
ちなみに、おじさまとは今でも仲良くしてもらってます。
永田王(ながたおう)
OL・風俗嬢を経て現在はライター業やトークイベントなどで活躍中。