元ピンサロ嬢の30分ガチンコ勝負

【第12話】ピンクな恋のメモリー
風俗やってると、お客さんから本気で惚れられてしまうこともしばしば。
そりゃーこちらも全員のチ●コと恋するくらいの気持ちでやってるし、実際すぐ好きになっちゃうけど、私は男の人と片思いがしたいの!
私がドキドキして追いかけなきゃ意味がないの!
次いつ会えるのかなってやきもきしたり、一日中その人のこと考えたり、送られてきたメールを何度も読み返したりしたいの!
そういうわけなんで、チ●コ以外に興味が湧かないお客さんからの口説きをどうやってお断りするか、それが風俗嬢にとっては大きな課題となるわけです。
ちなみに、ピンサロの店内で告白されて、断ったらお客さんにマジ泣きされたことが今までに2回あります!
ここそういうロマンチックな場所じゃないから!
おち●ちん吸うとこだから!
以前仲良くなったお客さんで、来てくれるたびに漫画トークで盛り上がれる素敵な文系男子がいたんですよ。
背高いし眼鏡男子だしモテキの藤くんにちょっと似てるし年下で可愛い上に面白いし、30分じゃとても話し足りないなー!って思ってたら、ある日「今度、よかったら連絡ください」ってメアドをくれた。
年下文系男子が! 私に! メアドを!!
メアドの交換は原則禁止だし、ましてや店外デートなんてもってのほかなんですけど、藤くんからのお誘いとあってはついつい私も断り切れず、一回だけお茶することに。
プリクラ撮って、ゲーセンで遊んで、お茶して、家具見て回って、ご飯食べて解散。
何なのよ、この爽やかなデートコース!
駅の改札で別れた後、いやー若返っちゃったな~とか思いつつ、ホームに向かって歩いていると、いきなり後ろから手をガッと掴まれた。
ビックリして振り返ると、そこには藤くんが。
「ごめん、あの、やっぱり好きです!!」
このタイミングで!?
私、こういうふいをついた告白とかね、ほんと弱いんすよ!
いや、頑張ってデートに誘ってきた時点でなんとなくわかってたけど!
でも気を抜いた瞬間にいきなり直球180キロで投げてこられたら、狼狽もするっつーの!
結局、挙動不審MAXであたふたしてお礼だけ言って逃げてしまいました。
その後、藤くんから
「告白するほど誰かを好きになったの、久しぶりでした。困らせてごめんね」
というメールが。
うおーーーごめんなさい!!!
そして甘じょっぱい!!
風俗にいると、チ●コチ●コ!わっしょいわっしょい!なことばかりじゃないんだな~と身に染みて感じたおセンチメンタルな夏の夜でした。

永田王(ながたおう)
OL・風俗嬢を経て現在はライター業やトークイベントなどで活躍中。