処女なのに風俗嬢!
泣いちゃった
こんにちは、さとこです。
大変です。
お店自体初めてのくせに
三時間という超ロングコースだわ、
オプションふたつもつけるわ、という
とんでもない猛者があらわれてしまいました。
あれです、ドラクエで
「おどろき すくみあがっている!」っていう
よわっちいモンスターの気持ち、今ならわかります。
ほんとは逃げ出したいけれど、
お金もらってる以上、そういうわけにもいきません。
さんじかんなら、ひゃくはちじゅっぷんでー、
えーと…いちまんはっぴゃくびょう。
あれ、意外と短いんじゃね?うん、いけるいける!
と自分を励ましつつ準備をして、
敵(前回からしつこいようですが、戦ってません)の待つ
ホテルにれっつらごー!
ま、近場なんで歩いて三分もかかんないんですけどね。
「こんにちは、おまたせしましたー」
そういいながらドアを開けてもらうと、
そこに立っていたのは、やさしそうなおじいちゃん。
「さとこちゃんこんにちは。僕はね、イトウっていいます。
さぁ、中に入って」
イトウさんに中に入れてもらうと、
部屋のソファに座るよう言われました。
ま、まさかソファでプレイっすか!?
いやとりあえず事前にシャワー浴びさせてもらえれば
本番以外なんでもやりますけれども!
「この180分どー乗り切るか」
そればっかぐるぐると考えていたさとこに、
イトウさんは「ここまで来るの大変だったでしょう~。
よかったらこれ食べて。あ、お茶もあるよ」と、
デパ地下で買ったと思われる、ちょっぴり高級そうな
お弁当を差し出しました。
瞬間、おもったこと。
えーと…もしかして、これ食ったら吐けと?
(世の中には、そんな趣味のかたもいらっしゃいます)
いや吐くのは嫌いじゃないが(それもどうなんだろう)
体力と気力を大幅に消耗するからなー。
そこをつかれて思うがままにされちゃったらどうしよう。
しかし、イトウさんはニコニコお弁当を指差したまま。
よーく見るとこのお弁当、すっっごくおいしそう。
なんか、いくらとかちらしてあるし(海産物大好き)。
うん、とりあえず向こうで「喰え」っつってんだから
ご馳走になるかー。
もし吐かなきゃいけない事態になったら…逃げよっ。
(そんな度胸とすばやさあるのか)
「おいしいー?」ニコニコ。
はい。めっちゃおいしいです。もぐもぐ。
「お茶も飲んでー。あ、おしっこ出そうになったら言ってね」
ニコニコニコ。
…そういやオプションでそんなのあったか。
いっぱい飲んどこ。ごきゅごきゅ。
部屋にはいってから一時間あまり。
このあいだ雑談しながらわたしだけ呑気にご飯食べてました。
話には聞いてたけど、ほんとにこういう、楽っていうか、
優雅にすごせるお客様がいるんだなぁ…と、
ちょっぴり感動してしまったさとこ。
その間も箸は止まりません。
もぐもぐもぐ。きれいに食べ終わって、ごちそうさまでした。
「じゃ、ちょっとベッドでいちゃいちゃしようかー」
…あ。やっぱプレイはするんですね。まぁ当たり前か。
しかし、心配していたような「おら吐けー」とか、
「えづくまでくわえてみろー」ってことはなく。
ただ、ベッドの上でほんとにぎゅっと抱きしめあうだけ
というものでした。
い、いいのかな、こんな楽で。
てゆうかほんとにおじいちゃんの匂いするなー、
なんか思い出しちゃうなー…。あー…。
このころ、慣れはじめてきたとはいっても、
やっぱりどこかにストレスが貯まっていたのかもしれません。
情けない話ではありますが、
その瞬間、なんかいろいろ来ちゃいまして。
…泣いちゃいました。思いっきり。
そんで、イトウさんも余計なこと聞かずに
「疲れてたんだねー、大丈夫だよー」なんて
いってくださるものだから、余計にぼろぼろと。
あぁなんて恥ずかしい!
しかし、イトウさんもこのことで
よほどわたしのことが印象に残ったらしく、
そのあと1カ月に2回は必ずお土産つきで
三時間とってくださるという、一番の太客様になりました。
…わたしがくだらないことで、失態をおかすまでは。
次回の「処女なのに風俗嬢!」は1月26日アップの予定です。
さとこ
美術大学に通う20歳。
普段はマジメな大学生だけど、借金返済と学費を稼ぐために、イメクラ嬢やってます。
お店にはナイショだけど、実は「処女」なのです。