潰し合う女たち
【第4話】回春嬢の無差別テロ（後編）
すかさず彼女のところに行くと、なんとネズミの死骸が入っていたのです。
店長に差し出すと、さすがにびっくりしたのか「はっ？何これ…」と開いた口が塞がらないといった表情で顔が真っ青になっていました。こういうとき男性は弱いですね。
「だから言ってんじゃん、うちらはこういうのに耐えてきてんだよ！ちゃんと教育しろよ！」とキレ口調で店長に死骸入りのバッグを押し付けました。
店長はことの重要さにやっと気づいたようで、こっちでも調べるから怪しい奴がいたら連れてきてくれと言いました。
そして、その日の夜、私は出発する前にトイレに行くふりをしてわざと仕事バッグを開けたままドアの外にあるトイレに行きました。
待機室には８人の女の子がいます。
トイレに入ったふりをしてトイレから出ると、そっと待機室のドアを開けて中を覗きました。動画もスタート。すると、私の隣に座っていた地味なＯＬが周りを見渡したあと、私のバッグに何かを入れました。
私は、確信犯を見つけて怒りが爆発しそうでしたが、なんとか抑えてトイレをわざと流し、普通の顔で戻りました。
そして、開いていたバッグの中を特に確認はせず、チャックを締めました。
「いってきまーす」と笑顔でその女の顔を見ると、女は満面の笑みで、「行ってらっしゃーい」と言いました。
すかさず女の胸倉を掴み、「てめー、バッグに何入れたんだよ」というと、女はびっくりした顔で「えっ、な、なんですか？」と慌てました。
しかもこの女は先日挙手をしていた中にいたのです。
「証拠も撮ってんだよ、ブス！」
私はバッグを逆さまにして中身を出しました。するとダンゴムシが５匹ちょろちょろと出てきました。
「お前、マジキモイから！！風俗なめてんじゃねーよ！」
そして、店長に連れられてその女はクビになりました。さらにそいつの勤務している会社にも報告して賠償金として１０万円も払わせられました。
これで一件落着。と思いきや、翌日、アミのバッグの中からミミズが出てきたのです。
私はぞっとしました。この中にまだ犯人がいる…。
その場にいた子たちはみんなふわふわのスカートにカーディガンを羽織ったおとなしい女の子たちばかりでした。
普通の子ほど怖いとはこのことだと痛感した出来事でした。
