恋の花びら大回転

【第89話】混浴に挑戦!
先日、某誌の仕事で混浴温泉に行ってきました。
温泉の特集記事を書くためではなく、混浴に集まるのぞきの人たちを取材するため。風俗を引退してから早7年。久々の裸仕事です。
新幹線とバスを乗り継いでやってきたのは、某県の山奥にある温泉施設。川沿いの露天風呂が混浴になっています。
「タオル着用」との注意書きがあり、男性は腰に、女性は全身にタオルを巻きつけて入浴するので、基本的に裸は見れません。
しかし、のぞきの人たちは一日中温泉に浸かり、おっぱいポロリやお尻チラリなどのラッキースケベを待ち続けているのだとか。なんて忍耐強いんだ。
実際、タオルを巻いたまま温泉に浸かってみると、お湯を含んでタオルが重くなってずり落ちるので、すぐはだけそうになる。絶対に見られたくない人は、湯浴衣(ゆあみぎ・入浴の際に身にまとう服)を買った方がいいと思います。
私は普段から露出に抵抗がないし、酔うとすぐ乳輪を人に見せたがる癖があるので、取材の前は「おっぱい出すくらい余裕!」と思ってたんです。
しかし、明るい陽の光を浴びながら、みんなが見てる場所で自分だけ裸になるってものすごい勇気がいるし、めちゃくちゃ恥ずかしい。布一枚あるかないかの差なのに!衣服を着始めた頃の原始人も、こんな気持ちだったのでしょうか。
なかなか脱げずにモジモジしていると、担当編集者が「そろそろのぞきの皆さんにサービスしましょう!」と言って、私のタオルに手をかけてくる。
ちょっとちょっと、まだ心の準備が!とか言ってる間にタオルがハラリ。その途端、周りでチラチラこちらの様子を伺っていた男性客たちの視線が、一気に集中しました。
すごい、あの人もこの人もポロリ待ちだったのか!というか、この状況じゃ、のぞきじゃない人も見るだろうけど。
恥ずかしいのでそそくさと次の湯船に移ると、のぞきの人たちもぞろぞろついてきた。あんたらはカルガモか。
そして一定の距離を保ちながら、私を取り囲むように集まり、「脱げ…」「おっぱい出せ…」という無言のプレッシャーを与えてくる。すごい緊張感です。
編集者の指示でもう一度ポロリすると、「おおっ…」という小さな歓声が。こんなにだらしない裸でも、求められたり喜んだりしてもらえると、正直ちょっと嬉しい。
私の他に、1人で来ている同世代の女性がいたけど、もしかしたら彼女ものぞきの視線を楽しんでいたのかも。
どんなブスでもデブでも、脱げばとりあえず喜んでくれるはずなので、女性としての自信を失いかけた時は、のぞきの多い混浴でポロリしてみましょう。のぞかれる方が、温泉に浸かるよりお肌にいいかも。
余談ですが、私のすぐ近くでずっとしかめっ面してる白髪のおじいさんがいました。
せっかく湯治に来たのに、露出女のせいで男たちに囲まれるわ、変な空気になるわで申し訳ない…とずっと気になっていたんですが、取材を終えて帰る時、のぞきの皆さんに手を振ってみたら、そのおじいさんもニコニコしながら手を振り返してくれました。お前も楽しんでたんかーい。
笑顔で手を振り合い、大団円。この日以来、混浴もののAVばかり観ています。

藍川じゅん
元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中!