恋の花びら大回転

【第36話】「貸彼氏とデート」後編
貸彼氏のイケメンA君と一緒にさっそくビールで乾杯。
シラフでこの状況はあまりにもキツ過ぎます。イケメンに「あーん」されたら、その瞬間にゲロ吐く危険性もある。
カチコチに緊張している私をよそに、A君は「何食べよっかー」と一つのメニュー表を見つつ、体をそっと寄せる。
やめてー!
そういうの超ドキドキするからやめてー!
そういえば、私もバイト中に意味もなくお客さんに密着してた。お客さん、こんな気持ちだったのかな。あるいは「デブにくっつかれて暑苦しい」って思ってたかな。
ご飯を食べながら、貸彼氏を始めるきっかけとか、将来目指してることとかをお話ししました。健全!
A君は明るくて会話も上手なので話しやすかったです。楽しくてついついお酒もすすんでしまう。
だいぶ打ち解けてきたころ、「お酒で失敗したことある?」という話題になり、お互いの失敗談を話すことに。私の中で酒の失敗ベスト3に入る「泥酔して目が覚めたら巣鴨のラブホテルで1人で寝てた」って話を披露したら、見事にドン引かれました。
これ、おっさんたちなら大喜びするエピソードなのに!
20代前半の男の子には話さない方がいいんだと身をもって学んでしまった。ちなみに、A君の失敗談は初めてお酒飲んだ時の超可愛い話でした。私もFacebookでシェアできるような話を用意しておくべきだった!
慌てて飲み物をオーダーし、話題を変えることに。
「キミ、何飲みたい?」と聞いたところ、
「キミじゃないでしょ! ちゃんと名前で呼んで」
と怒られた。
ちょっとちょっと~そういうラブラブした感じやめてよ~~(満面の笑み)
ものすごい小声で「え、え、A君…」と呼んでみたところ、
「わーっ、やっと名前で呼んでくれたー! ありがとーっ!」
って頭をなでられた。
普段、男に頭なでられても「ぶち殺すぞ」としか思わないんですけど、この時ばかりはキャピピッピー!!ってなって胸ときめきまくりでした。
そして、頭なでなでで骨抜きにされているところに、「はい、あーん」と畳み掛けてくる。
恐るべしイケメン。
恐るべし貸彼氏。
ヤケになって箸ごと食いちぎる勢いでガブリといくと、A君は、
「言っとくけど、このお皿の残り、全部あーんで食べさせるからね?」
とニヤリ。
ギャーッ!! なんでこうキュンキュンするポイントおさえてくるのーっ!!
意地悪そうに微笑むイケメンなんて漫画(安野モヨコ)でしか見たことないー!
超かっこいいー!!
そんなわけでして、ずっとドキドキニヤニヤしっぱなしで夢のような貸彼氏とのデート。
2時間があっという間に過ぎてしまった。
イケメンに優しくされると、本当に気持ちいいし明日への活力になる。
ときめきが欲しい! という方はもちろん、最近なんにもいいことがないなーとお悩みの方も、是非貸彼氏サービスを利用してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、私はA君の爽やかのおかげで、風俗のお仕事やら何やら長年淀んでいた心がすっかり浄化されました。
もうち●ことかま●ことか言わないぞー!

藍川じゅん
元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中!