恋の花びら大回転

【第3話】ナルシスおじさん!
付き合ってた彼氏とか片思いの彼じゃなくて、ただのお客さんの話なんですけど。
すっごい自分大好きなおじさんがいてですね。
40代後半くらいでデブだしダサいのに、自信満々。まあ、これに関しては私も他人のこと言えないけど。デブでブスでババアなのに自分わりと大好き。
おじさんは、毎回いろんな彼女の話をしてくれる。でも、よくよく聞くと金銭が介在してる。というか、多分ただのお客。
そういうところも私に似てる。ただの疑似恋愛に本気で調子に乗っちゃうとこが。クソが!(同族嫌悪)
おじさんの女自慢を聞きながら、「私のことも他のお店ではガールフレンドとして話してるんだろうな~」くらいに思ってた。
ただ、おじさんは自分に関することを全部覚えてもらえないと機嫌悪くなる人だったんで超絶めんどくさかった。
出身地とか年齢とかはもちろんのこと、前回来た時の会話の端々まで覚えてないと「お前もその程度かよ」みたいなこと言い出す。
「お前も」ってことは間違いなく他の人たちにも覚えてもらえてねーじゃん。
それで、久々に来て「こないだ買った○○がさ~」っていきなりこっちが知ってるの前提で話し始めたりする。「あ、○○買ったんだ…?」って聞き返すと、
「こないだ●●へ行った話しただろ~!●●行ったら当然○○買うじゃん普通。なんでそんなことわかんないのお前~!」
わかるかーい。
それちょっとした名推理だから。たまに現れていきなり謎解き求めてくるとか何者なの?
あと、何も言わないでいきなり射精したからむせちゃって「直前に教えて下さいよ」って怒ったら、
「俺がイキそうなことくらい、わかるでしょ?」
って言ってた。
あっうん、わかった。お前がもう一人の自分と数珠つなぎになって永遠に自分のちん●んしゃぶってた方がいいことはわかったわ。
赤の他人に対して100%の理解を期待したり、「俺と同じくらい俺のこと好きであって欲しい」って姿勢を崩さないって、もはや無邪気すぎる。
つーか、俺と同じくらい俺のこと好きな人って、それはつまり自分だよね?
さっきから俺俺言い過ぎたせいでゲシュタルト崩壊して「俺」が和風の美味しいものに見えてきたんですけど。
おじさんは今でもお店の女の子相手に「お前は俺にどれだけ関心あるわけ?は?その程度?」って確認して回ってるのかな。
鏡に向かって「お前、俺のこと好き?」って聞けば、絶対「一生大好きだしめっちゃ興味ある!」って答えてくれる人いるよ、おじさん!

藍川じゅん
元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中!